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天然理心流 質疑応答

よく皆さんからいただく代表的な質問と、その回答を集めてみました。

Q01: 天然理心流を習いたいのですが、剣道等は経験ありません。そんな私でも出来ますか ?
Q02: 仕事の都合で稽古や合宿を休むこともあるかと思いますが、入門できますか ?
Q03:天然理心流のすべての技が、今なお継承されているとのことですが、演武会等で見る機会はありますか ?
Q04: 60歳になりますが、この年で稽古についていくことができるか不安です。
Q05: 稽古に真剣は使いますか ?
Q06: 他にも天然理心流を名乗っている団体がいくつかあるようですが ?
Q07: 加藤伊助が宗家を名乗るまで約40年間の空白があったのは何故ですか ?
Q08: 関東地区以外では、天然理心流を教えていただくことはできませんか? ←回答更新
Q09: 宗家一門の演武は日野市や各地で見ることが出来ますが、心武館の技はなぜ見る機会が少ないのですか?
Q10: 天然理心流総本部では、なぜ宗家が伝書を出さないのですか?
Q11: 天然理心流の十代宗家を名乗っている方がいますが、これはどういうことでしょうか?

 

Q01: 天然理心流を習いたいのですが、剣道等は経験ありません。そんな私でも出来ますか ?
A: 剣道やその他の格闘技などの経験があれば、身体の運用や間合いの感覚があるので役立つと思いますが、何も経験がなくても当流の稽古を通じて会得できるので、特に経験は必要ありません。
( 心武館館長 )

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Q02: 仕事の都合で稽古や合宿を休むこともあるかと思いますが、入門できますか ?
A: 天然理心流の修行は長い年月のかかるものですから、あせらず継続することが大切です。あくまで仕事や学業を優先していただいて、無理せず来られる時に稽古して頂ければ結構です。
( 心武館館長 )

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Q03: 天然理心流のすべての技が、今なお継承されているとのことですが、演武会等で見る機会はありますか ?
A: 確かに心武館では、全伝の約130 本の技が継承されております。私も、他の門弟の皆さんと共に合宿の折、2日間にわたり拝見させていただいており、間違いありません。ただし、切紙から目録、中極意目録、免許までの技が含まれており、無闇に公開するような性格のものではないので、公の場ですべてお見せすることは出来ません。
しかし、当流の正しい普及の為に、今後は一部の技を演武して、多くの方にご覧いただく機会をつくっていくことも必要であると考えております。その節は、ぜひご覧いただきたいと思います。
( 宗家 )

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Q04:60歳になりますが、この年で稽古についていくことができるか不安です。
A: 現在、門弟の中には10代の方から70代の方までおり、幅広い年齢層の方が稽古されております。
それぞれの体力に合わせた指導を行っており、またご自身の体調に合わせて休憩をとることも自由です。心身ともに稽古に支障の無い状態であり、特に医師から運動を制限されている等のことがなければ、どなたにも楽しく稽古していただけると思います。
( 心武館館長 )

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Q05: 稽古に真剣は使いますか ?
A: 当然真剣も使用いたしますが、すぐには必要ありません。切紙、目録と進み、中極意目録の段階で居合術が出てきます。
刀の扱いに慣れていただくため、初歩的な居合の稽古は最初から行いますが、門弟の皆さんには木刀もしくは模擬刀で代用していただいております。
真剣を所持している方もいらっしゃいますが、未熟なうちは怪我の心配もありますので、稽古では模擬刀をご使用いただいております。
( 心武館館長 )

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Q06: 他にも天然理心流を名乗っている団体がいくつかあるようですが ?
A: 他には、東京都日野市と三鷹市で活動している団体があります。
それは、先代宗家の故加藤伊助先生の弟子の荒川治氏が日野市で運営している撥雲会と、同じく加藤伊助先生の弟子の平井泰輔氏が三鷹市で運営している団体です。
両者とも、加藤伊助先生には僅か6本の技しか伝わらなかったにもかかわらず、心武館の大塚先生に陰橈の技7本の指導を受ける等をしながら、苦労してこれまで稽古を続け、地域の催し等でも演武をされ、当流の普及に大変尽力されてこられました。
残念ながら三鷹の平井氏の場合は、本来天然理心流にない技を創作して公然と演武したり、宗家の名称を詐称する等の問題があり、道を外れてしまいましたが、現在は荒川氏が日野で加藤先生から教わったままの天然理心流を守ってくださっています。

また、その他にも、五代宗家近藤勇五郎の孫弟子と称して剣七世を名乗りビデオやDVDを販売していらした方や、伝書等から技を捏造して天然理心流や新選組の真似事をしている方、復元と称して技の解説書を発行している方、勝手に天然理心流を名乗って演武をしている方などがいらっしゃるように聞いておりますが、当流といたしましては、これらは本当の天然理心流ではないと認識しております。
( 宗家 )

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Q07: 天然理心流の宗家は、近藤勇五郎の息子の新吉が昭和11年に亡くなってから、加藤伊助が宗家を名乗るまで約40年間の空白があったような事を以前どこかで聞いたのですが、何故ですか ?
A: 疑問に思われるのはもっともです。多少長くなりますが、当時の状況からご説明させていただきます。
昭和40年にテレビドラマ「新選組血風録」が放映され、新選組ブームが起こりました。そういった流れの中で昭和30年代に発足した近藤勇史跡保存会をはじめ、多くの新選組を研究する会が発生し、その延長線上で天然理心流への関心が高まりました。
そして、宗家道統の復興への強い希望が生まれ検討を重ねた結果、当時多摩地区の剣道界で多くの実績と実力及び高い人格、人望を備え、かつ少年期から二十歳頃まで近藤勇五郎の弟子であった加藤伊助先生に白羽の矢が立てられ、昭和47年1月5日近藤勇史跡保存会の総会において、会長の加藤武雄氏の発議で加藤伊助先生を八代宗家とする案が出され、全会員一致で承認されたものであります。
近藤勇史跡保存会に、天然理心流の宗家を作る権限があるかどうか疑問に思われる向きもあろうかと思いますが、その会員には近藤勇五郎の弟子であった方も多く、また三鷹における名士であり多くの人から厚い信頼と尊敬を得ていた三鷹武道館館長の石川先生のお力添えもあり、宗家復興につながったものであります。

このように申しますと、宗家道統に根拠が少ないと思う方もいらっしゃると思いますが、加藤伊助先生には、自分は宗家道統を守るために8代を受けるが、あくまで宮川家に宗家を返すことが目的で、自分はそれまでの役割であるとのお考えがあったと聞いております。
このことは、加藤先生が月刊誌剣道日本(昭和53年9月号)の取材を受けた際にも「加藤氏が長い空白期間ののちに八代目を継いだ。加藤氏は、門下の一人である宮川家の清蔵氏に、いずれ道統をお返しするつもりだという。」と答えております。
また加藤先生が8代宗家を受ける際、心武館2代目井上昌作先生に面会し、宮川家に宗家を返すまで宗家を勤めたい旨の挨拶をし、井上先生も将来宮川家に宗家を返す為ならばということで、8代宗家襲名を承諾していただいたとの話も聞いております。

日本の武術における宗家の継承には、2つの考え方があります。
ひとつは、技を基本とし、技の継承をもって宗家を継いでいくという考え方です。特に武術に於いては技を最も重要な事とし、技の優れた者を養子にして宗家の継承を図ることがよく行われてきました。
しかし、残念ながら現在の天然理心流宗家道統一門では、技の継承も多くは途絶え、6本の技が伝わるのみであり、技を根本にした宗家の継承は成り立ちません。
二つ目は、血筋による継承であります。これは、武術のみならず日本の多くの分野で、古来より行われてきた考え方です。
武術が実戦の用を失った現在では、宗家とは象徴的な存在であり、その意味では血筋による継承が最もわかりやすく問題が少ないと思われます。
私の場合も、血筋により9代宗家道統を継承していますが、技についても近藤勇五郎先生より加藤先生を介して受け継いだ6本の型があり、宮川家が宗家道統を継承することが、正しき事ではないかと思います。
尚、宮川家は近藤家ではないので、宮川家を血筋と考えるのはおかしいという方もあろうかと思いますが、宮川家からは天然理心流を歴史に残した近藤勇とその娘婿の勇五郎の2代に渡り近藤家へ養子を出した事実があり、近藤家に次いでその資格があるのではないでしょうか。

武術宗家として、僅か6本の技の継承のみではいかがなものかと考える方もいらっしゃいますが、現在、天然理心流の全ての技を継承している心武館4代目の大塚篤氏から全面的な協力で支えていただいており、宗家の血筋と心武館に継承された技をもって、天然理心流を未来に伝えていくことが出来るものと確信しております。
宗家道統と心武館との関わりは歴史が長く、近藤勇五郎先生と心武館初代井上才市先生との関わりがあり、私の父及び宗家道統8代加藤伊助先生と心武館2代目井上昌作先生との関わり、そして私宗家道統9代宮川清蔵と心武館4代目大塚篤氏との関わりがあり、宗家道統と心武館とは120年以上に渡っての関係であり、今後も大切にしていきたいと思っております。
( 宗家 )

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Q08: 関東地区以外では、天然理心流を教えていただくことは出来ませんか?
A:これまで、同様のお問合せを全国各地より数多くいただいてまいりました。
そこで、関東以外の地域の方にも、鹿嶋での合宿へ参加していただける制度を設けました。初心者の方でも二日間の稽古で基礎から天然理心流を学ぶことが出来ます。2008年の合宿は、6月と11月を予定しております。合宿への参加を希望される方は、事務局までご連絡ください。
(事務総長)

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Q09: 宗家一門の演武は日野市や各地で見ることが出来ますが、心武館の技はなぜ見る機会が少ないのですか?
A: ご存知の通り、天然理心流が現在に至るまで、継承において2つの流れがあります。その2つの歴史的経過によって考え方や性格が大きく異なっています。その結果として、宗家一門と心武館とでは、演武に対する考え方が違うものとなっています。

宗家一門は、昭和30年代に発足した近藤勇史跡保存会という歴史研究会によって、昭和40年代に三鷹において立ち上げられ、技としての継承も6本と少なかったことから、演武に重点が置かれ今日に至っています。

一方心武館は、天然理心流を武術として後世に残すことと、武術としての修行を通して心身を練磨し、流祖近藤内蔵助をはじめとする先達の精神を伝えることを目的とするもので、単に人に見せることのみを目的とした演武はしない事が原則であり、演武は最小限度にするべきと考えています。このため、あまりご覧いただく機会がありませんが、あくまで天然理心流の修行を目的としていることをご理解ください。
ただし、本当の天然理心流を後世に伝えていく上で、皆さんにご覧頂くことも意味が無いとは考えておりませんので、今後は演武等で広く一般の皆さんが当流に接していただく機会を作ることも検討しております。
( 宗家 )( 心武館館長 )

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Q10: 天然理心流総本部では、心武館として切紙や序目録の伝書を出して、宮川宗家から登録承認書を出していますが、これはどのような意味があるのですか。また、なぜ宗家が伝書を出さないのですか?
A: 伝書を授与することができるのは、天然理心流の技の継承者であることと、先達の強い伝承の意志を受け継ぐ者であるべきであります。伝書とは卒業証書のようなものであり解説書ではないので、伝書を読んでも技の内容が分かるとか出来るというものではありません。また、伝書を写したり模造しても、ただの古文書の写しでしかなく、伝書とはいえません。

八代宗家を加藤伊助先生が継承した時、近藤家側では宗家継承を認めなかった為、本来の継承の意思は途絶えてしまい、事実、その後加藤先生が伝書を発行することはありませんでした。九代宗家を継承した宮川清蔵もまた、このような事情から伝書を発行するべき立場にはありません。
もちろん、他家の伝書を写して模造することは簡単ですが、流派の成り立ちと先人の意志を理解していれば、その様な偽りができるわけがありません。

このような事情から、伝書は技の継承者である心武館の館長が授与し、当流の象徴的存在である宗家が天然理心流総本部を代表して承認する形をとっております。
( 宗家 )

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Q11: 天然理心流の十代宗家を名乗っている方がいますが、これはどういうことでしょうか?
A: 八代宗家の加藤伊助先生は、生前より宗家は宮川家に帰したいとおっしゃっており、加藤先生が亡くなった後、近藤勇史跡保存会の総意により私宮川が九代宗家を継承いたしました。
私は、年はとりましたが今だに現役で道場に出ておりますし、宗家を退いたわけでも誰に譲ったわけでもありません。ですから、天然理心流の十代宗家はこの世に存在しないはずですが、勝手に十代を名乗っている方がいることは私も存じております。
これは、私はもとより、天然理心流総本部でも認めているものではありませんし、世間を欺くような行いは流派の信用を失墜させるものと危惧しております。また、そもそもこのような行為をすること自体、十代を自称している者は天然理心流の修行者として不適格な人間であると考えております。
古武道関係者や歴史及び新選組愛好者、またマスコミ等に誤解を与えることは、私の常々心配しているところであります。ここにはっきりと、十代宗家なるものは現時点では存在せず、十代を名乗るものがあれば、それはあくまで自称であり偽りであることを申し上げておきます。

無論、いつかは後継者に宗家を譲る日が来るかと思いますが、まだその時でありません。
なお、天然理心流総本部規則第15条1項において、「宗家道統は宮川家世襲とし、役員会で指名する。これにより難いときは役員会で選任する。」と規定されております。
( 宗家 )

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